食品加工工場等の排水処理と事例
食品加工業としては、アルコールやビールなどの製造工場から、野菜加工や水産加工などの食品加工工場などがあります。特に食品加工などの廃水は、高いBOD値の炭水化物や脂肪・蛋白質などが含まれる特徴があります。
また、水量・水質などが時間的、季節的に大きく変動し、腐敗も起こしやすいといった処理上の特質があります。
【給食センター】
給食センターやレストランなどの厨房の廃水は、有機物や油脂類の汚濁負荷が高く、加圧浮上や活性汚泥のバランスを維持するために技術的なポイントがあります。
処理効率と衛生管理のために植物油などの油脂分をいかに適正に処理するかが重要です。
【アルコール・ビール工場】
発酵や蒸留工程で製造されるアルコール工場の場合、濃厚な蒸留廃液が生じます。廃液はBODが非常に高く浮遊物を含む酸性廃水です。
ビール工場の場合、圧搾洗浄や麦芽カスなどが廃水になります。
他に、しょ糖を精製するてん菜糖工場や缶詰やソーセージを製造する水産加工工場では、それぞれ特色のある排水処理技術が必要です。
食品加工工場等の排水処理の方法
廃水の種類や条件に応じ、加圧浮上装置、脱水機、活性汚泥処理装置等の組み合せが多様にありますので、処理設備に応じた最適な薬品の選定が必要です。従来、発生した廃水処理汚泥は、乾燥・焼却、埋め立て、堆肥、飼料、メタンガス化などでしたが、近年では再資源化への取組みと様々な技術開発が行われています。
油脂分を加圧浮上や高分子凝集剤などの薬品を使って分離するの手段が一般的です。
分離油脂分は余剰汚泥となりますが難脱水性であるので効果的な脱水機と凝集剤銘柄の選定が必要です。